ルールの基礎
2009年はルール改正の年です。作業中のため一部更新された内容となっています。正確な内容はルールブック等をご確認ください。
出てくる用語について不明なものがあれば、ヨット用語(定義)を参照してください。
『Play the Rules』ではオンラインでルールの勉強ができます。ルールの基礎が分かったら是非チャレンジしてみてください!
Index
- 航路権
- 推進方法
- マークタッチ
- スタート
- ISAF Q&A 101
航路権の原則
- 艇が反対タックの場合、ポートタックの艇が、スターボードタックの艇を避けなければならない。(規則10)
- 艇が同一のタックでオーバーラップしている場合、風上艇が、風下艇を避けなければならない(規則11)
- 艇が同一のタックでオーバーラップしていない場合、クリア・アスターンの艇が、クリア・アヘッドの艇を避けなければならない。(規則12)
- 艇は風位を越えた後クローズホールドのコースになるまでは、他の艇を避けなければならない。この間、規則10、11および12は適用されない。2艇が同時にこの規則に従わなければならない場合には、ポート側にいる艇、または後方にいる艇が、避けなければならない(規則13)
風上マークでのルール
- 風上に向かっている2艇がマークの決められた同じ側を通過しようとしたとき、反対のタックで出会った場合には、オープンな水面のときと同様、ポートタックの艇がスターボードタックの艇を避けなければならない。(規則18.3(a),規則10)
- 両艇とも、同じタックでマークの同じ側を通過しようとする場合で先行艇がゾーンに到達したときオーバーラップが存在していれば、そのマークから見て外側にいる艇が、内側の艇に対してマークと外側の艇との間を安全に通過するための余地(ルーム)をあけてやること
- マークを通過するためにタッキングしようとする場合は、あとから来る艇とぶつかる位置でタッキングをしてはいけない。(規則13)
- 両艇とも同じタックでマークを通過するのにタッキングが必要な場合、内側の艇がタッキングをしようとするときには、外側の艇は内側の艇がタッキングするための余地(ルーム)をあけること。(規則18.3)
風上マーク以外のマークでのルール
- 複数の艇がオーバーラップしている場合、外側の艇は内側の艇のマーク通過のルームを与えなければならない。(規則18.2(a))
(風上・風下のルール(規則11)およびポ-ト・スターボードのルール(規則10)にも優先する。)←ここが誤解を招く原因となってた
- ルームを得る資格のある艇(非権利艇であるが内側艇)がマークルームを帆走している場合、次の場合は免罪とする。
(a) 相手艇がマークルームを与えなかった結果、A節の規則に違反した場合
(b) プロパー・コースを帆走してマークを回航することでA節の規則または規則15あるいは16に違反した場合
※規則14は対象ではないことに注意。回避をせず損傷や障害を伴う場合は失格となる。
- クリア・アヘッドで"ゾーン"に到達した艇は、あとから来る艇(クリア・アスターンの艇)に関係なくマークを通過してよい。したがって後からきた艇は先行のクリア・アヘッドの艇を避けること。(規則18.2(b))
コース変更に関する制限
- 航路権をもつ艇がコースを変更する場合には、他の艇に対し、避けるためのルームを与えなければならない。(規則16)
スタートするときの航路権
スタート信号前のラフィング
ラフィングの規則はスタート信号の前と後では異なっている。
規則17.1・・・クリア・アスターンから風上艇の風下2艇身以内にオーバーラップした艇は、そのオーバーラップが続いている間、その艇はプロパーコースより風上を帆走してはならない。
↓
プロパーコースはスタート信号前には存在しない。
↓
他の艇に対し避けるためのルームを与えながらラフをするのであれば、風位まででもよい。
大事なのは「風下艇が風上艇の風下側にクリア・アスターンからオーバーラップしたかどうか」ということ
クリア・アスターンから風下側にオーバーラップした場合
風下艇は避けるためのルームを与えながらであれば、風位までラフすることができる。しかしスタート信号後は風下艇のプロパーコース(この場合はクローズホールドのコース)より風上を帆走してはならないので、クローズホールドまでベアしなければならない。
クリア・アスターンから風上側にオーバーラップした場合
風下艇は避けるためのルームを与えながらであれば、風位までラフすることができる。スタート信号後も風下艇はプロパーコース(この場合はクローズホールドのコース)までベアしなくてよい。
スタートマークでのルーム
スタートするためにスタート・ラインに向かい、そのラインに近づいていた場合(そのときにスタート信号が発せられれば、スタートしてスタート・マークを離れるまで)は、風下艇はスタート・マーク(スターボード・タックの状態であれば、右側のマーク―通常本部船)と自艇との間に入り込もうとする風上艇に対しては規則18.1(a)によりルームを与える必要はない。
また、クリア・アスターンからオーバーラップした場合でも、風下艇がアウターリミットマークを通過するまでは、スタート信号後もクローズホールドのコースより風上を帆走することができる。風下艇にとってはそれがプロパーコースであるからである。アウターリミットマークを通過したあとはプロパーコースであるクローズホールドのコースへベアしなければならない。
障害物がスタート・マークかそのアンカー・ライン
障害物がスタート・マーク、またはそのマークのアンカー・ライン等の係留索具である場合には、艇がスタートするためスタート・ラインに近づいているとき、さらにはスタートした後においても、クリア・アヘッドの艇や風下艇は、この障害物をかわすためにタッキングをしようとして、クリア・アスターンの艇、あるいは風上艇に対しタッキングするルームを要求する権利を持っていない。ただし、その艇にとってマークを回航することはプロパーコースを帆走していることに他ならないので、風位までラフすることはできる。

規則42.1の原則は、ヨットレースは帆走(セーリング)による競技であり、セール、および艇体に受ける風と水の作用を活用して艇を推進させなければならず、乗員は帆走するのに必要な動作以外に体を動かして艇を進めさせようとしてはならない。
禁止行為
- パンピング・・・セールを引き込んだり、緩めたり、または体を上下、あるいは左右に動かしたりすることでセールを繰り返しファンニングすること。
- ロッキング・・・以下のいずれかにより、艇を繰り返しローリングさせること。
- 身体の動き
- セールやセンターボードを調整したりすること
- 操舵
- ウーチング・・・身体を急速に前方に動かして、急に止まること
- スカリング・・・激しく、または艇を前進させるためもしくは後進させないように舵を繰り返し動かすこと
- 風の振れまたは戦術的な駆け引きと無関係に、繰り返しタックまたはジャイブすること
禁止行為の例外
- 艇は、操舵を容易にするためにロールさせてもよい
- 艇の乗員は、タックまたはジャイブ中に、艇の操舵を容易にするローリングを大きくするために身体を動かしてもよい。ただし、そのタックまたはジャイブを完了した直後に、艇のスピードがタックまたはジャイブをしなかったときに比べて速くならないような身体の動かし方に限る。
- 風上に向かうビートの場合を除き、サーフィング(急速に加速しながら波の風下側を下ること)、またはプレーニングが可能な場合には、乗員はサーフィングまたはプレーニングを開始する目的で、シートやガイを引いてどのセールでもコントロールすることができる。ただし、一波または風の一吹きにつき一度限りとする。
- 艇がクローズホールドのコースよりも風上に向かって、静止しているか、またはゆっくり動いている場合、艇はクローズホールドのコースへの方向転換のために舵を動かしてもよい。
- 艇は、減速のために繰り返し舵を動かしてもよい。
- 危険な状態にある人員または他の船舶を救助するためには、どのような推進方法を用いてもよい。
- 座礁後または他の艇や物体と衝突した後、それから離れるために、艇は両艇の乗員の力および推進機関以外の装備による力を用いてもよい。

マークタッチとその解消法
「レース中、艇は、以下のいずれかのマークと接触してはならない。」
スタート前のスタート・マーク
帆走中のコースのレグの起点、境界または末端となるマーク
フィニッシュした後のフィニッシュ・マーク
(規則31)
↓
接触した場合は、規則44.1に従い違反を解消できる。
規則31に違反した艇は、規則44.2に基づきできるだけ早く他の艇から十分離れた後に、速やかに1回のタッキングと、1回のジャイビングを含む回転を、同一方向に1回行うことにより、ペナルティを履行したこととする。艇がフィニッシュ・マークと接触した後にペナルティを履行する場合、その艇はフィニッシュする前にフィニッシュ・ラインのコース・サイドまで完全に帆走しなければならない。
(注;回転を行っている間は、航路権がない。)
スタート前のスタート・マークとの接触
スタートする前のマークタッチもレース中の場合と同様、接触後できるだけ速やかに他のすべての艇から十分に離れたところへ帆走したうえ、前述のとおり1回転を行うこと。
↓
準備信号後のマークタッチでも、できるだけ速やかに他の艇から離れたうえで1回転を行って解消することができる。(スタート後でなくてよい。)
フィニッシュ後のフィニッシュ・マークとの接触
レース艇はフィニッシュ後のフィニッシュ・マークと接触してはならない。
↓
フィニッシュしてフィニッシュ・ラインおよびフィニッシュ・マークを離れるまでの間に接触がなければ、その後マークと接触しても違反にならない。

スタートの流れ
リコールとは?
スタート信号時に、艇体、乗員または装備の一部でもスタート・ラインのコース・サイドにある場合、または艇が規則30.1に従わなければならない場合
↓
X旗掲揚
(音響信号1声)
↓
リコール艇は、スタート・ラインの内側に戻ってスタートしなければならない。
ゼネラルリコールとは?
多くの艇がリコールし、レース委員会がそれを見分ける事が出来なかった時や、スタートの信号の手順を間違ってしまった場合
↓
第一代表旗掲揚
(音響信号2声)
↓
スタートやり直し
特別なスタートの方法
I旗規則
(規則30.1)
I旗が掲揚され、スタート信号前の1分間に、艇体、乗員または装備の一部でもスタート・ラインのまたはその延長線上のコース・サイドにある場合には、その艇はその後スタートする前にコース・サイドからスタート・ラインの延長線を横切り、プレ・スタート・サイドまで帆走しなければならない。
↓
スタート信号後でなくて良い。
Z旗規則
(規則30.2)
Z旗が掲揚された場合には、スタート信号前の1分間に、艇体、乗員または装備の一部でもスタート・ラインの両端と最初のマークとで作られる三角形の中にあってはならない。艇がこの規則に違反して、特定された場合には、その艇は審問なしに規則44.3(c)に規定された計算により20%の『得点ペナルティー』を受けなければならない。レースが、再スタート、再レースまたは日程変更となったとしても、その艇は、ペナルティーを課せられる。ただし、レースがスタート信号前に延期または中止された場合には、ペナルティーは課せられない。ペナルティを課せられた艇がその後の再レースのスタート前に同様の違反を特定された場合、その艇は、さらに20%の『得点ペナルティー』を受けなければならない。
解説1
ルールが改正された結果、Z旗を準備信号として掲揚した場合、ゼネラル・リコールかどうかに関わらず一律20%の得点ペナルティーが適用されることに改訂された。スタート前の1分間にペナルティーエリアにいたことが特定されたものの、その後正規にスタート(スタート時にプレ・コースサイドにいた、またはスター信号後にプレ・コースサイドに戻った)した艇に対してのみ得点のペナルティーが課せられるのであって、スタート時にコースサイドにいた場合には、個別のリコールとして扱われOCSと記録されます。
解説2
そのスタートがゼネラルリコールになった場合(スタート時に、レース委員会がスタート・ラインのコースサイドにいる艇もしくは規則30の適用を受ける艇を特定できない場合)については、RRS30.2の後段にあるように、再スタートや、再レースでも20%ペナルティーは引き継がれることとなります。
再スタートが再びゼネラルリコールになった場合に、再び規則30の適用を受けた場合は20%+20%=40%のペナルティが課されることになる。

黒色旗規則(規則30.3)
黒色旗が掲揚された場合には、スタート信号前の1分間に、艇体、乗員または装備の一部でもスタート・ラインの両端と最初のマークとで作られる三角形の中にあってはならない。艇がこの規則に違反して、特定された場合には、レースが再スタート、再レースとなったとしても、その艇は審問なしに失格とされる。ただし、レースがスタート信号前に延期または中止された場合には、失格とされない。ゼネラル・リコール信号が発せられた場合、またはレースがスタート信号後中止となった場合には、レース委員会はその艇のセール番号を、そのレースの予告信号前に掲示しなければならず、レースが再スタートまたは再レースとなった場合には、その艇はレースで帆走してはならない。帆走した場合には、その艇の失格は、シリーズの得点を計算するときに除外してはならない。この規則を適用する場合には、
1分間ルール(帆走指示書による)
スタート信号前の1分間に、スタート・ラインまたはその延長線上のコースサイドにある場合、その艇は即失格とされる。

レースには、先頭艇のフィニッシュに2時間のタイム・リ ミットがある。先頭艇は1時間59分にフィニッシュした。もしその艇が下記であるなら、その艇は規則35のタイム・リミット内にフィニッ シュしているか?
- OCSと記録され、戻っていなかった
- 正しくスタートし、後に規則違反として失格となった
- 規則30.3(Black Flag Rule)に違反したと記録された
回答
- NO
規則35(Time Limit)に従うために、艇は正しくスタートすることを求めている規則28.1(Sailing the Course)にもまた従わなければならない。
- YES
規則違反が規則28でなかったなら
- YES
定義に従ってスタートしたなら、しかしながらその艇は、30.3に従って失格となり、BFDと記録される。
つまり、その艇がスタート信号時にコースサイドにいた場合、
- ノーマルスタート、ラウンド・アン・エンドの場合はリコール解消後に、また、20%ペナルティであればスタート信号後に再びスタートラインを切りなおした場合にその艇はタイムリミット内にフィニッシュしたことになる。
- ブラックの場合はスタート信号後に再びスタートラインを切っていれば、失格ではあるがタイムリミット内にフィニッシュしたことになる。

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